2015年6月8日月曜日

福井くん5勝目 悲願の2ケタ勝利へまい進中

ブログ開設以来ずっと応援し続けている広島東洋カープの福井優也投手。去年のマツダスタジアムでの阪神戦で9回1失点の完投勝利を成し遂げて以降、それまでの苦しんできた投球が明らかに変わってきました。
4勝をあげてシーズンを終えた福井くんにとって勝負となる今年は黒田投手電撃復帰の衝撃が走りました。バリントンの後継であるジョンソンを含めて5人の先発枠が埋まってしまい、最後の1枠を賭けて、九里くん、戸田くん、中村恭平くんらと激しく競い合うことになりました。春季キャンプでは「僕に調整はない」と悲壮な決意で臨み、序盤から全力で枠を奪いにいきました。
誰よりも早く仕上げてきた福井くんは格の上でも投げる球でもほかの選手に決して劣ることがなく、未確定ながらも6番手の先発枠に滑り込むことができました。それでも評価はあくまで6番目。おととしまでの不甲斐ない投球から完全な信頼は得られておらず、なかなか出番も回ってこない中、一旦は日程調整で2軍で登板することもありました。
しかし、自分の役割をきっちりこなすことを心がけ、内容も昨年からさらに安定感を増し、評価も上向いてきました。
黒田投手からは「昔の自分のようだ」と言われたり、「福井はいい球を投げる」とほめてもらえたりと良い影響を受けているようです。特にストライク先行で勝負するという意識づけは、どちらかというと打たれたくなくて際どい球がボールとなり、苦しくなってストライクを取りにいって痛打されることが多かった福井くんにとっては名助言でした。
もともと球威は広島投手陣の中でも随一の福井くん。そう簡単には打たれないはずなのに、おととしまでは四球ひとつでオロオロしてしまい、しつこくけん制してはお約束のような悪送球。勝手にピンチを招いては、打者と勝負することもできないまま滅多打ち…と相手にしては与しやすい投手だったでしょう。それが今は堂々と打者と勝負することができています。
制球に関してはもともとアバウトなのが逆にいい具合で打ちづらくなっています。今日は1回で3暴投という珍記録を出してしまいましたが、それを気にしても仕方ありません。それも持ち味。自分なりのいい投球ができさえすれば、相手がエースでもきちんと勝てるんです。
今年の目標は自身初の2ケタ勝利。それももう半分まできました。防御率も苦手のヤクルトを除けば1点台とエース級の内容。勝ち数では黒田投手と並ぶチーム1の勝ち頭となりました。それでもあくまで謙虚に「試合を作ることだけ」を考え、「野手に勝ちをつけてもらっている」と味方への感謝を忘れない姿勢は人としても一段成長したことをうかがわせます。こうした言動からも雌伏していたスーパーエース候補・福井くんにとって今年は大飛躍の年となりそうで楽しみです。

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